知彼知己者百戦不殆

 入れ替え戦の相手、ヴァンフォーレ甲府。数年前まではJ2でも最下位争いを繰り広げ、toto購入時には「甲府は負けで鉄板」などとまで言われていたチーム。更には経営難によるチーム消滅の危機にまでさらされながら、J1の扉に手をかけるところまでに成長してきました。数試合前のロスタイム逆転劇やまさに昨日の奇跡的な3位決定、その勢いは本当に油断出来ません。

 しかしながら、これまで違うカテゴリーで戦ってきた事もあり、それほどヴァンフォーレについての情報がありません。元レイソル長谷川太郎が今年に入ってから得点ランキング上位に名を連ねるほど活躍している事くらいは耳に入ってきましたが。

 …というわけで、ネット上の色々な情報を集めてみました。

1.勝敗表

 まずは基本の勝敗表です。J2と言えば長丁場、入れ替え戦に臨むにあたって重要だと思われるのが第3、第4クールの結果でしょうか。クールごと、ホーム/アウェイの内訳付きの表にしてみました。総勝ち点69のうち、後半戦で39を獲得、勢いが感じられます。
 ホーム・アウェイでの勝ち点差はわずかに1。ホームでの引き分けの多さが目に付きます。“小瀬の利”的なものは余り感じられませんね。
 ここで何より特徴的なのが総得点78という数字。全44試合でこの得点力は相当のものでしょう。

2.J2順位表(得点順)

 そこで、J2の順位表を得点順に並び替えてみます。すると甲府は独走した京都に次ぐ2位という結果。長谷川、バレーといったFW陣が好調を維持していたのが大きいのでしょうか。

3.J2順位表(失点順)

 今度は失点順に並び替え。ここでは一気に9位までランクを下げています。失点も多いがそれ以上に得点する、今年のJ1優勝チームに通ずるものを感じます。その意味でも怖さがあります。

4.得点者内訳

 ゴールを決めた選手の内訳です。バレーは途中離脱していながらこの得点数。長谷川太郎もコンスタントに得点を重ねてバレーと比肩する結果を残しています。この2トップはやはり脅威。更には10番を背負って10得点の藤田、200試合を越える出場数を誇るという倉貫といった中盤の選手、それに高さが武器というFWの須藤も第3〜第4クールにかけて調子を上げている様が窺えます。須藤の8得点中7点がアウェイゲームでのものというのも目を引きます。


 さて、これらの数値を見て安易に結論を出すとすれば「攻撃を凌いで守備の脆さを突く」と言う事になりますでしょうか。しかしそうは簡単にいかない事は重々承知。どちらが来年のJ1の舞台に相応しいのか、全てはこの1週間で結論が出されます。

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 タイトルの“知彼知己者百戦不殆”は「敵を知り己を知らば百戦殆(あや)うからず」という有名な言葉の原文らしいですよ。
 我が柏レイソルの場合、どんなに敵を知ろうとも、指揮官が己を知っているかどうかが非常に疑問というツッコミは哀しくなるので無しの方向でお願いします…。