天皇杯04ヴィッセル神戸@日立台

 この試合を3つの段階に分けてみると…。

 まずは前半45分間。開始直後にいきなり失点、すると足に鉛が付いているかのように誰も動かなくなりました…。特にボールを持った時の周りの動きがないものだから、とりあえずその辺に意図のないショートパスを出しては、それを待ってましたとばかりに勇ましくプレスしてくる相手に奪われる。中盤での不用意なパスカットが致命傷に繋がった大宮戦で学んでいないのか…。2失点で済んだのが不思議な位です。
 前半終了時、スタンドからは当然ブーイング。「前が歩いてちゃダメだ」と前の大宮戦でも指摘していた波戸が、かなり苛立った様子で脱いだユニフォームを放り投げロッカールームへ消えていったのが見えました。
 特にフランサ。能力云々はさておいて、現状では使うべきではないでしょう。出場した2試合での彼に対するサポーターの印象は最悪です。今日も走らなければ怒号、些細と思われるミスでもブーイング。日立台はスタンドの雰囲気がすぐに伝播する場所です。味方であるはずのサポーターをわざわざ敵に回してまで使い続ける余裕は今はないはず。サポーターとしてもホームをこんな雰囲気にはしたくないはずなのですが…。波戸がキレていたのも、こういったスタンドを取り巻く雰囲気の悪さが原因の一端にあるような気もします。
 ゲーム内容、チーム状況、スタジアムの雰囲気。前半45分間は思い出したくもないほどに全てが劣悪な時間でした。

 2.後半。さすがにここまで酷いとさしもの早野監督も選手を変えてきました。ハーフタイム中の「ヤ・ノ・キ・ショウ!」コールに応えて、(個人的に)待望の貴章登場。そしてそう時間も経っていない序盤に早速右サイドのスペースを全力疾走、チャンスを作り出します。この動きで雰囲気は一変。前半は狭い狭い空間でせせこましい玉蹴りしかしていなかったチームが、貴章が作り出したスペースも活用してどんどん前へ前へ押し込んでいきます。これだよ俺達の見たかったサッカーは!…とばかりに応援も一気にヒートアップ。見事なまでに雰囲気を変えた貴章、(個人的に)今日のMVPです。得点が取れれば完璧だったのだけれども…。
 終始優位にゲームを進めて、そしてきっちりビハインドを跳ね返して同点に。

 そして3つ目のフェーズ。延長戦。
 後半終わりにかけてのカード乱発で相手は何と3人退場フリーキックを得ても誰も上がらず遠くに蹴り出すのみ、とひたすら堪え忍ぶだけの神戸に対して、数的優位を全く感じさせない柏。何故か左右サイドに人員を集中させ、肝心の真ん中は手薄。そのサイドでも局面の戦いから避けてばかりで、苦し紛れに放り込むクロスの精度は欠け、全て跳ね返される始末。それでも何故かかたくなにサイドにこだわり、同じようにプレスから逃げて、恐れるようにバックパスし、結局シュートすら打てずにクリアされる。
 普段の練習では一体何をやっているのだろう。と思っていたら30分終了。

 最後はPKを制して何とか勝利となりましたが、収穫といえば後半の出来くらい。むしろ前半と延長戦の様相から、今後への不安を抱かずにはいられません。できた事、できなかった事、今後やっていかなくてはならない事をしっかりとふまえて、新潟戦へ臨んで欲しいと思います。
 …試合の度に同じ事を書いているような気がするけど!