フロンターレ視察

 行ってきました味の素スタジアム、FC東京−川崎フロンターレ

 我那覇マルクスジュニーニョが3トップ気味に張り、そこに左アウトサイドのアウグストがFC東京の石川直宏との駆け引きを制して上がってくる攻撃陣は迫力あり(今日の石川は全く良いところ無し)。相手の中盤での細かいミスを見逃さずにボールを奪い取りカウンターへ持って行く形は特に驚異的な破壊力がありそう。噂によく聞くボランチの14番中村憲剛が攻撃時の起点となっていた姿が印象的。

 注目されるのは攻撃陣のみならず。5番の箕輪と2番の伊藤、13番の寺田(3人ともデカイ)が担う3バックのディフェンスラインは強さと高さを兼ね備えていて、適当に放り込むようなフィードは全て跳ね返していた。この3人にボランチも加えて、楔のボールをすぐさま囲い込んでカットするシーンがよく目に付くなど、組織としてよくまとまった守りを披露。中盤の構成力に欠けたFC東京をものの見事に完封。

 得点シーンはまさに真骨頂というか、相手の中盤でのミスを素早くカットし、前線で少し引いてきたジュニーニョに受け渡し、そこを起点としてマルクスと我那覇が絡み、最終的にはペナルティエリアちょっと外からジュニーニョが豪快にシュート。ここだけではなくこの3人が流麗に動いてチャンスを作り出すシーンが多かった。

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 ディフェンスと攻撃陣の間が空きすぎて全然ボールが回せない(5−0−5みたいなフォーメーションに…)、ボールを取っても上がりが遅い等、FC東京の出来が悪かったとはいえ(ハラヒロミの試合後のインタビュー第一声「今日はすいませんでした!」…サポの先輩曰く「いつも笑いを取って負けをごまかされてる気がする」との事…)、フロンターレの昨年J2独走の力がJ1でも十分に通用する事を証明した試合だったのではないでしょうか。

 開幕で当たるレイソルとしては…とにかく中盤での意図のない適当な緩い横パス回し厳禁(昨年頻出していただけにとても不安ですが…)。ここでインターセプトされるような事になれば一気にピンチを迎えるでしょう。一般的に、3トップを抑えるには4バックの方が向いているとは言われますが、レイソルがチームとしてフィットしているのは明らかに3バック。この辺りの指揮官の選択も命運を握りそう。

 攻撃面では、相手の屈強3バックに玉田の速さと巧さでどう崩していくか。そこにいかに周りの人間が絡んでいけるか。川崎の攻撃的な左サイド(柏の右サイド)の裏や逆にバランス重視の右サイド(柏の左サイド)をどう押し込んでいくか…といったあたりでしょうか。

 とにかく、川崎は昇格組とはいえJ1でも十分通じるであろう確固たるベースを持った好チームでした。レイソルとしては、ここできっちり勝っておく事でJ1の意地を見せると同時に勢いを付けたいところ。果たして…。