第11回ちばぎんカッププレビュー

 柏サポーターが春の息吹を感じると同時に、開幕近しとの高揚感を隠しきれなくなる、毎年恒例のちばぎんカップ。この時期にいくつか開催されるプレシーズンマッチの中でも出色と言える11回目の開催となる今年は、ジェフのホーム市原臨海競技場20日13時にキックオフされる。この11年という歴史と共に、同じ県内にあるJリーグクラブとしてお互いその期間をディビジョン1で戦い続けている事は誇っていいだろう。

 一年ごとに舞台を入れ替えて行われるこのちばぎんカップ、昨年は柏のホーム日立台スタジアムにて開催され、主力を欠いた市原(現・千葉)に対し柏が3−0で快勝。永田、山下、谷澤が次々とゴールを決め、日立台は勝利の歓喜とまもなく開幕するリーグへの期待に包まれた。このちばぎんの勢いのまま2連勝でスタートを切ったシーズンはしかし、程なく失意の底にたたき落とされ苦難の1年になるのは周知の通り。一方の市原(現・千葉)は開幕こそ敗れたものの徐々にコンディションを上げて優勝戦線を盛り上げた。

 去年のその経験から、ここで例え勝ったとしても手放しで喜んでいてはいけない…との思いで今年のちばぎんを迎えるサポーターも多いのではなかろうか。無論勝つに越した事はないのだが、今年は鹿児島キャンプ中の練習試合で敗退を繰り返している事もあって、「去年は快勝で一瞬夢を見る事が出来ただけでも良かった、今年は再起不能になるくらいに叩きのめされるのでは…」といったふうに期待よりも不安の方が大きい、というのが本音かもしれない。

 ともかく、その遠い鹿児島の地で励んだキャンプを経て、早野監督がどのようにチームを作り上げて来たのかのお披露目の場である。スタメンは誰か、3バックなのか4バックなのか、代表で3試合こなしている玉田のコンディションとフィット具合はどうなのか、新助っ人や新加入選手の力はいかほどなのか、上記のようなサポーターの不安を一掃できる試合を見せてくれるのか…。興味は尽きない。

 またオフの間英気を養いつつも試合に飢えていたサポーター達にとっても、久しぶりに愛するサッカークラブの応援することが出来る場となる。長いシーズンに向けた新応援歌も高らかに鳴り響く事だろう。

 同県内とは言え、行きやすいとは言えない市原臨海競技場での開催ではあるが、足を運んでその目で実際に新生レイソルの始動を記憶に納めておくのも悪くないはずだ。